今の妊産婦、そして授乳中のお母さんで今までと違うのは新型コロナウィルスのことではないだろうか。私の場合、妊娠が判明したときは緊急事態宣言真っ盛りだったため、歴代戦士(ママ)たちの体験談を読んでも参考になる部分と参考にできない部分があった。そして今まで誰も経験したことのなく、困ったのがコロナのワクチン接種である。コロナ感染はなるべく避けたいが、ワクチン接種をして良いのかどうか…今回はその中でもコロナのワクチン接種について言及しておきたい。
ワクチン接種したタイミング
私の場合、ワクチン接種は妊娠34週と産後10日の時にモデルナ社のワクチンを接種した。トラタロスは1か月早く36週で出てきたので出産を待って2回目を接種したわけではなく、通常の4週間の間隔で打ったらそうなったのである。つまり、私の予定では出産前に2回接種完了し、産後は育児に専念する予定だったのだ。
接種タイミングの意味は?
私の場合は妊娠34週だったのには意味はなく、自治体で40代以下がワクチン接種できるタイミングで最も早く接種できたのがその週数だったのである。本来はもっと早く接種できればと考えていたが、私の所属している会社には職域接種がなかったこと、夫の会社には職域接種はあったものの当時は本数が限られておりある一定の労働条件を満たした社員のみ接種可能という厳しい制限があったので、社員すらも職域接種できない場合があり家族が接種するのは到底無理だったのである。そのため出産ぎりぎりのタイミングになってしまったのである。
ワクチン接種で不安だったこと
2021年8月には妊娠中の女性がコロナに感染し自宅で出産したものの死産になってしまったニュースが報じられ、そこから妊産婦が優先的にワクチン接種ができるようになった。しかし私がワクチン接種した時期はまだ妊婦のコロナ感染について取り沙汰されていない時期で妊婦がワクチン接種をして良いものか、どんな影響があるのかわからないのが不安だった。またワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすなどといった話がまことしやかに噂されている時期でもあり、親には妊婦がワクチン接種するなんてとんでもないと言われたこともある。
私が心配していたのは主に以下の2つだが、そこからワクチン接種をするという判断に至った情報を紹介したい。
- 妊婦がワクチン接種をして良いのか
- 副反応はどう対処すればよいのか
不安①妊婦がワクチン接種をして良いのか
医師へ相談:感染した後の重症化した後のリスクが高いため接種した方がよい、また母体でできた抗体は胎児に行くと考えられている
私はたまたま3人医師に相談する機会に恵まれ、サードオピニオンまで聞くことができた。(普段通院している病院、里帰り先の病院、地域の医師によるワクチン接種相談会。)どの医師も口をそろえて「ワクチン接種ができるのであればワクチン接種した方が良い」とのことだった。理由としては、妊産婦は免疫力が落ちているためコロナに感染すると重症化のリスクが高くなるため、そして副反応よりも重症化した時の方が胎児への影響のリスクが高まるためということであった。
また、母体がワクチン接種によって作った抗体は、胎児へへその緒を通して移行され、授乳中の場合には母乳を通して抗体が子供へ移行すると考えられているとも言われた。子供が生まれてきてもコロナに感染したらどうしようと考えていたので、自分のワクチン接種によって子供にもメリットがあるのであれば接種しようと思った。
日本産婦人科感染症学会で発表された情報を確認:妊娠継続に問題はない
私がワクチン接種を決めた当時はワクチン接種による妊産婦への影響の資料が出たばかりの時期であった。情報は少なかったが、流産したり胎児への影響はないということがわかった。現在は厚生労働省からも正式な情報が出ており、以下は私が参考にした情報よりもかなり情報が追加され整理された妊産婦のワクチン接種に関する情報なので、不安に思う方は一度読んでみると良いかと思う。
参考 私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか。厚生労働省HPYouTubeで実際に接種した人の動画を見る
日本ではそもそもワクチン接種自体が進んでいない時期だったので、ほかの国でワクチン接種している人はいないだろうかと思って調べたところ、アメリカで妊娠中にワクチン接種をしている女性医師がいた。上記の医師の回答の他に、アメリカでは妊産婦はワクチン接種の優先度が高くなっているということだった。恐らくアメリカで妊産婦のワクチン接種で問題があればさすがに日本にも情報が入っているだろうと思い、それがないということは妊産婦でもワクチン接種をして問題ないだろうという結論に至った。
不安②副反応はどう対処すればよいのか
一般的に、ワクチンを接種すると発熱や腕の痛みといった副反応が出ると言われている。妊婦は妊婦用の解熱剤でないと薬が飲めないだけでなく、胎児に影響のある副反応が出たりするのではないかと不安に思い、医師に相談した。
病院で治療できないような胎児へ影響のある副反応は確認されていない
医師に相談したところ多くの副反応が発熱で、胎児へ影響があって病院で治療ができない副反応は確認されていないとのことだった。もし発熱した場合も、大体1日で熱が引いていくので基本的には我慢できるのであれば1日我慢しても大丈夫とのことだった。現在は市販の薬の供給は落ち着いているが、自治体による一般の人のワクチン接種が開始し始めた時は、解熱剤が売り切れてしまい妊婦・授乳中でなくてもそれ用の解熱剤を買われてしまい売り切れ状態だったのである。
産後にワクチン接種に行った際も、問診を担当してくれた医師に「今は授乳中でも飲める解熱剤がほぼ売り切れているから、熱が引くまでおとなしく寝ているか、下がらなければ病院に行ってください」と言われた。
モデルナ製ワクチンを選んだ2つの理由
ワクチンにはファイザー製かモデルナ製か選ぶことができる。私がモデルナ社を選んだ理由は下記のとおりである。
- 最速で接種できるものだから
- 変異株(デルタ株)に強い方だから
①最速で接種できるものだから
ファイザー製は予約枠が少なく、モデルナ製は集団接種会場で使用されているため予約枠が多い。自治体のワクチン接種はとにかくディズニーランドのチケット争奪戦に近いくらいのアクセスなので、接種予約が取りやすいのはどちらかというと集団接種会場の方である。また、ファイザー製は副反応が出にくいということで当時は人気があり、モデルナ製の予約枠の方が取りやすいというのもあった。
②変異株(デルタ株)に強い方だから
今もそうだが当時も変異株の出現が何度か報道されており、可能であれば(当時出現していた)変異株にも対応できる方が安心だと考えていた。その場合、モデルナ製の方がファイザー製よりも(当時の)変異株の発症者が少ないということだったのでモデルナ製にした。しかし、現在はさらに新しい変異株が出現していることもあり、情報も古くこちらは参考程度に留めていただけると幸いだ。
【参考】知り合いの妊婦さんにも聞いてみた
知り合いの妊婦さんにも聞いてみたところ、ワクチンはファイザー製にしたとのことであった。理由は、上のお子さんのお世話があるので、妊娠しながら副反応が出ると体力的に持たないのでなるべく出ない方が良かったとのことだった。ご参考までに。
実際に接種してみて
接種1回目(妊娠34週)
副反応は発熱と腕の痛みだった。発熱は38度、39度越えを覚悟していたが実際は38度も行かない程度の発熱で収まってくれた。また妊娠は1人目ということもありお世話する子供もいなかったのでゆっくりと眠って、翌日にはすっかり元気になっていた。モデルナアームと呼ばれる腕の痛みは1週間もなかったように思う。
念のため何かあった時のためにと、夫はその日有休を取得して1日家にいてもらった。
接種2回目(産後10日)
早産だったため里帰り先からわざわざ父に住民票のある自治体まで送ってもらい、接種してきた日である。副反応は38度行ったか行かないかくらいの発熱と腕の痛み、そして実際の発熱以上に悪寒があった。悪寒は私の兄も同じ症状が出たと言っていたので、産後・授乳中のせいというよりもただ単にたまたま出ただけだと思われる。
副反応ではないが、産後は悪露と呼ばれる子宮内の出血があるのだが、私の場合収まりかけていた悪露がワクチン接種後からまた悪露が出るようになった。ワクチン接種によるせいなのか、たまたまなのかは不明である。それから2週間程度悪露が止まらなかったものの、産後1か月の1か月健診の日に止まった。
副反応で発熱していた間、子供は両親に面倒を見てもらいお腹が空いて泣いた時だけ部屋に連れてきてもらう、という対応をしてもらった。普段1日中睡眠不足で面倒を見ているよりも、発熱でよく眠っていたこの日の方が体が休まったのはここだけの話である。
最後に
2021年12月現在、政府では3回目のワクチン接種の話も出ているところだが、自治体によっては自分の年齢では2022年以降でないと順番が回ってこないためまだ未接種の方もいるかと思う。順番待ちだけれど妊娠を望んでいる方にこのワクチン接種の話が参考になれば幸いだ。