一時的に新型コロナウィルスの感染者数が減少してきたときに、ひいじじばばに会うために生後3か月のトラタロスと新幹線に乗って会いに行った。
首も座っていない上に、基本的に家の近くのお散歩くらいにしか行ったことがない生後3か月の赤ちゃんが新幹線に乗った長時間の移動に耐えられるかどうかが一番の心配だったが、結論準備に準備を重ねていけばいけなくもない。
とはいえ初めての長旅だったので心配ごとも多くあった。赤ちゃんと新幹線に乗る旅に出る際の検討事項・気を付けたことなどを時系列順に紹介する。
目次
事前準備
お子様連れ専用車両サービス利用の検討
現在東海道新幹線ではお子様連れ専用車両というサービスが出ている。週末のこだまのみであったり、帰省ラッシュ時にはのぞみとこだまに設置されているなど時期によって内容が異なるようである。今後のコロナの状況にもよってサービス内容が変わると思うが、赤ちゃんが泣き叫んでも気にしなくて良いのは大変ありがたい。
今回我々はコロナの心配や初めての長距離移動だったため、在来線の移動も含めなるべく帰省ラッシュの混雑に巻き込まれないよう早めの時期にしたいと考え12月中旬に行くこととした。確認するとお子様連れ専用車両サービスはこだまのみ、かつ土日しか運行していなかった。しかしこだまだと目的地まで新幹線だけで4時間もかかりトラタロスの涙腺が耐えられる気がしないので、今回は本サービスは利用せず平日のお昼ののぞみで行くこととした。ちなみに予約時は行き帰りどちらもガラ空きだと感じたが、実際はほとんどビジネスで利用している方で満席に近かった。
座席の相談・予約はみどりの窓口で
お子様連れ専用車両ではないのでなるべく周りに迷惑をかけないよう、切符を買う際に駅員さんに授乳する赤ちゃんがいること、ベビーカーで移動する旨を伝えて席を以下の条件で取ってもらった。
- 特大荷物スペース付き座席(ベビーカーを置くため)
- 多目的室・おむつ替えトイレのどちらかが近い(どちらの席も空いている場合はトイレに近い方)
駅員さんがトイレや多目的室の位置を確認しながら座席を取ってくれるのでみどりの窓口がおすすめである。またトラタロスの場合は、授乳よりもトイレの回数が多く、服から漏れるほどのうんちをすることもある。なるべくおむつ替えができるスペースが近い方が安心なためそちらを優先とした。なお多目的室自体の予約はみどりの窓口では確認できないため、当日に多目的室で授乳できるかどうかは運次第である。
荷物
持ち込んだ荷物
荷物はまずは下記記事で紹介している 「1時間以上の外出が予想されるお出かけ<お出かけ時の基本の持ち物>」 を用意した。
赤ちゃんとお出かけをしたい―我が家のお出かけ時の荷物の基本形(首の座っていないねんね期~)更に基本的な荷物に加え、下記の荷物を追加で加えた。抱っこ紐はベビーカーの方に乗せ、それ以外はリュックに詰め込んだ。かなりパンパンになってしまったので、よく使うおむつなどは取り出しやすいように上に詰め、アフガンや着替えは使わない可能性の方が高いので下に詰めた。
- アフガン(おくるみ)
- 抱っこ紐
- 鈴のおもちゃ
- 着替え
アフガンは授乳時に多目的室が使えなかった時の授乳ケープ代わりとして持ち込んだ。着替えはトラタロスがうんちをおむつの外まで漏らしてしまったとき用である。
持っていてよかった荷物<抱っこ紐>
抱っこ紐は車内移動用に必要だった。というのも赤ちゃんを抱えたまま移動すると、ふらついた時に両手がふさがっており体を支えられなかったのである。考えてみれば走行中にデッキに向かう人たちはふらついて座席に手をついている人が多い。座っていると揺れはあまり気にならないので忘れがちだが、親子共々無事でいるためにも、周りの人の安全のためにも必須アイテムである。
使わなかった荷物<鈴のおもちゃ>
鈴のおもちゃは泣いた時に気を惹くために持参したおもちゃであった。しかし実際に乗車してみて、使えないなと思ったのが正直な感想である。というのもビジネス利用が多かったこの日は、電車内の時間を睡眠に当てている人も多く音を出すことがはばかられたのだ。家族連れの多い土日利用だったとしても、静かな社内ではリンリン鳴らすのは気が引けそうである。音が鳴らないお気に入りのおもちゃがあればそっちを持っていくのが良さそうだ。もしかしたらお子様連れ専用車両サービスでは気兼ねなく使えるのかもしれない。
トラタロスは生後3か月でまだ触るおもちゃよりも音が鳴るおもちゃの方が興味があるのでそれ以外のおもちゃが思いつかなかったのだが、ぶっちゃけ泣いたらおもちゃでご機嫌を取るよりデッキに連れて行って外を見せながらあやした方が気を遣わなかった。デッキは走行音もある程度するのでぐじゅぐじゅ泣く分にはあまり気にならなかったのである。
実際に乗ってみた
ベビーカーでの乗り込み
ベビーカーをたたまずに新幹線に乗れるのか?
結論から言うと、ベビーカーはそのまま新幹線のドアの幅で十分通ることができるし、特大荷物スペースにたたまずにおくことができた。うちのベビーカーは海外製のかなりがっしりしたベビーカーなので、日本で人気のあるCombiのスゴカルなどなどは余裕で置くことができるだろう。
改めて特大荷物スペースについて説明すると、特大荷物スペース付き座席とはベビーカーのような通常の座席には置けないような大きな荷物を置くためのスペースである。こちらは一部指定席の車両最後尾に設置されており事前予約が必要である。
乗車前のイメージはトラタロスを抱っこ紐で抱っこして新幹線に乗車、ベビーカーはたたんで運び込み置くつもりだったが、実際に乗ってみると幅(D・Eの2席の)・長さ共にたたまずそのまま置くことができた。幅はかなりぴったりだったので座席を後ろに回転させてベビーカーに子供を乗せながら見るほどの幅はなかった。そのためトラタロスは新幹線に乗ったときはよく寝ていたのでベビーカーに乗せたままにしていたのだが、座席からはベビーカーの様子が見えないので夫婦で交代で立ちながらトラタロスの様子を見ていた。ちょっと(だいぶ)恥ずかしかった。
多目的室の利用
利用方法は?
まず、多目的室は予約がない限り授乳スペースとして利用ができる。先ほど切符の予約時に記載した通り、多目的室の予約状況は分からない。トラタロスは生後3か月で一般的に授乳間隔が長くなるといわれる中、授乳間隔が通常1時間、ご機嫌ななめだと1時間ももたないのである。そのため多目的室も可能であれば利用したい。事前に受けた説明では多目的室は利用したい際は車掌さんに言うと予約状況を確認し、予約がなければ利用させてもらえるということであった。
実際は多目的室の利用状況と方法を聞こうと車掌さんが通るのを待ったのだが、停車駅発車後の座席確認以外ほとんど通りかからなかった。一方で「全日警」と書かれた警備員さんがよく通るのである。途中までは車掌さんが通るのを待っていたのだが、なかなか通りかからないので警備員さんにダメもとで聞いてみたところ車掌さんに連絡を取って利用状況を確認してくれた。さらに利用状況を確認し、開いていたので多目的室まで案内もしてくれたのだ。多目的室に到着すると車掌さんがやってきて多目的室の鍵を開けてくれた。もし車掌さんが通りかからない場合は警備員さんにお願いすれば確認してもらえるというのは大きな収穫である。
最後に、車掌さんは鍵を開けたらいったん戻ってしまうので、利用が終わったら席に戻りまた車掌さんが通りかかるのを待って利用終了の旨を伝えれば良いとのことだった。
多目的室の中は?
多目的室は車いすを停めることができる広い空間と、座席がぽつんと2つ並んで設置されている簡素な空間だった。ドアの開閉は外も中もボタンを押すことでできる。ドアの鍵は中の人がかけることもできるし、乗務員さんが外から閉めることもできた。実際に私は利用しなかったが、ここに置いてある座席の背もたれを倒すと簡易ベッドにすることができるようである。
おむつ替えトイレ
おむつ替え用のトイレはどんな感じ?
まず、おむつ替えはおむつ替え台がついているトイレで行うことができるが、このトイレは一部の車両にしかないので場所の確認が必要だ。
トイレに入ると壁に台が収納されているのでそれを倒して、ベルトで赤ちゃんを固定してからおむつ替えを行う。このトイレには、サニタリーボックスとは別でおむつを捨てるゴミ箱がついているのでそこにおむつを捨てることができる。台を倒してからだと台の陰になってしまい見つけづらいので要注意だ。この使い方まではよくあるおむつ替えスペースと変わりないように感じる。
ただ新幹線にあるおむつ替え用のトイレの特徴としては、限られた空間に作っているのでスペースはかなり狭いという点である。私の夫は大柄なので、おむつ替えをしに行ったら動きづらかったとのことであった。少しでも動きやすくなるように、ドア付近にある荷物用フックにカバンをかけておむつを替えるのがおすすめである。
余談だが、赤ちゃんをおむつ台に置くとついつい安心してしまいがちだが、トイレのドアの鍵の閉め忘れにはご注意を。(鍵が開いている場合はドアを開けて車掌さんがノックをして中を確認しに来ます。)
最後に
私は赤ちゃんが生まれて散歩に連れて行くのもかなり緊張した質なのだが、況や新幹線をや、である。更に早い子は生後3か月で首が座るということだが、トラタロスはまだ座っていない。実際に乗ってみて何とかならないわけではなかったが、子供がぐずった時の焦りや不安感はあるので可能な限り大人が2人以上で楽しく乗ると心の支えになると思う。
またトラタロスにとって新幹線に乗る旅は疲れるのではないかとも考えたが、とはいえひいじじばばもいつまで元気かわからない。会いに行ってかなりの喜びようだったので頑張ってよかった、と思った次第である。