出産をするにあたり、里帰りするのが普通だと思っていた。子どもを産んだことがあり育児も兄弟分だけしたことがある母もいるから百人力だろう。しっかり体と心を休めて自宅に戻ろう。そう思っていた。しかし、実際はそんなのは夢のまた夢だったのだ。
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里帰りが地獄だと思っていた理由
里帰りをしたら心も体もゆったり、そんなことを考えていたが実家はもうくつろげる場所ではなかった。産前産後1か月ずつの計2か月里帰り予定で、実際は1か月早産だったため産後2か月を実家で過ごすこととなった。(ゆるトラの父が激務でトラタロス誕生の2か月後しか育休が取れず、誰の手も借りられないのでその間は自宅に帰ることはできなかった。また、里帰り期間の少なくない謝礼金を先に親に渡しており、その分の元を取ろうとも考えていた。)帰ってみると地獄のような2か月で、その理由を紹介したい。そしてこれから出産をひかえている方にとって、里帰りを安易に決めるのではなく、本当に里帰りしても良い環境なのか検討するきっかけになればと考えている。
①実家の家族関係が最悪な時期に帰ってしまい、針のむしろの様な雰囲気だったから
②想像していたより両親の0歳児の育児スキルが低かったから
③古い育児の知識で赤ちゃんと関わろうとするのでストレスがたまる
④(手伝ってくれると言っていたが)基本的に全員仕事で1日家におらず、結局1人で赤ちゃんを見ることとなったから
理由①実家の家族関係が最悪な時期に帰ってしまい、針のむしろの様な雰囲気だったから
この理由が一番の地獄に感じた理由である。トラタロスが生まれたのは東京オリンピックが終わり、緊急事態宣言が解除された直後である。実家には当時両親と兄がいたのだが、コロナに対する考え方の違いをきっかけに関係が冷え切った状態になっていたのである。兄は医療従事者に近い関係にいたので、コロナに対してかなり気を付けていたものの、田舎なのもありコロナの脅威がそこまでない両親は好き放題外出をしたり人と会っていた。それを兄が注意したことが戦いの火蓋となり、兄と両親は口も聞かない関係となっていたのである。食事もわざと同じ時間には取らないし、同じ空間にいても無視して私に話しかけたりするので関係ない身からするととにかく居心地が最悪だった。(父は仲直りをしたかったらしく会話に入ったりするが、兄がそれを許さないのである。)そんな状態とは知らされず、私はのこのことトラタロスを連れて帰ってしまったのだ。こんな状態なので、誰にとってもトラタロスが唯一の癒すスポットなので皆群がり、可愛がるのが逆に私にとってはストレスだった。
また、とにかく(特に)親から「あいつは何を考えているんだ」と愚痴を言われ、「探りを入れてこい」と言われ、兄からは「何も話すことはない」(とはいえこうなった事情は兄から話してくれた)と言われ…私の里帰り期間2か月をかけてお互いの言い分を聞き、話し合いの場を設けて仲裁役をし、私が帰る直前に何とか和解まで持って行った。里帰りとは、出産で全身ボロボロの上に寝不足の状態の私をいたわってくれる期間ではないのか。特に出産経験のある母なら何とか休ませてくれると思っていたが、母はむしろ事を荒立てており、残念ながら実家に対する信頼は一切なくなってしまった。
調べてみると、こういった家族関係が悪くて里帰りをしなかったり、家族の揉め事があって里帰りの期間を予定より短くする人は多いようである。里帰りするのであれば、実家が万全な状態かどうかを確認しておくのも重要である。また、そうでなければどうするのか夫婦でよく話し合った方が良い。
理由②想像していたより両親の0歳児の育児スキルが低かったから
両親の育児スキルは低かった話は下記記事でも書いているのだが、改めて簡単に紹介したいと思う。私の両親世代は、父が仕事、母が専業主婦で家事育児というのが一般的な家庭でうちもその家庭の1つであった。そのため父は育児スキルないのは分かり切っていたが、意外にも母も低かったのである。その理由が、母が子どもを産んだ時は里帰りを3か月、自宅に帰った後も両親が毎日面倒を見に来ていた。しかし、基本的に沐浴やら夜中の対応やらは(私から見た)祖母が全てやっており、母は一切やらなかったのである。そのため沐浴は未経験、新生児の夜中の対応もどんなものか全く知らず1日で音をあげたのだ。つまりこの里帰りは新生児のお世話をほとんどしたことが無い両親と子供がいない兄がいる実家に帰ったため、まったく戦力になる人がおらず結局1人で面倒を見ることとなったのである。
育児で親に頼りたくない…親は孫の面倒を見たいと言うけれど。(ゆるトラの母のホンネ)私は母から「自分が子どもを産んだ時は夜はおばあちゃんが面倒を見てくれたから~」と聞いていたので、同じように母がやってくれるものだと思っていた。しかし、それはただの思い出話であったということである。結局1人で夜中の寝かしつけやらミルク作りやらをやったわけだが、実家は戸建てなので無駄に広くて寝不足の身には移動が辛く、早く狭いマンションに帰りたいと思ったのは言うまでもない。(土日だけゆるトラの父が実家に来てくれトラタロスの対応をしてくれて大変ありがたかったが、彼も平日は激務で早朝から深夜まで働いて私と同じような状態だったので申し訳なさもあり、何となく休めなかったのは今だから言える話。)
理由③古い育児の知識で赤ちゃんと関わろうとするのでストレスがたまる
育児スキルは少ないものの、一応子どもを育てた親なので知識はある。しかし、それは残念ながら30年前から更新されていない。また、今の私達であれば何か情報を聞いたら真偽をネットで調べる癖がついているが、親世代はそれをする人としない人で分かれており、私の親はしないタイプである。もちろんかわいい孫のために助言をしているのは分かっているが、根拠のない情報を言ってくるのでストレスがたまるのだ。例えば私が衝撃を受けたのはこれである。
- 携帯(スマホ)の電波は体に悪いから赤ちゃんに近づけてはいけない
もはやスマホはなくてはならないし、育児中にスマホでYoutube見せている家庭もある。何か悪影響があれば厚生労働省が警告を出しそうなものである。念のため調べたところ、電波を取り締まっている総務省で下記のような情報を出している。結論としては電波が体へ悪影響を及ぼしているという根拠は見つかっていない。(ちなみに親は一切スマホ使っていないということはなく、むしろ毎日私よりもLINEやら何やらスマホを触っている時間が長い。)
参考 電波の人体に対する影響総務省また、間違ってはいないものの今は不要とされている入浴後の白湯だったり、おしゃぶりは顔をゆがめる(0歳児は自分の指を認識するために必要な過程なので、指しゃぶりを辞めた方が良いのは4、5歳)なども言われた。早産だったので産後の話を一切しないまま里帰りしてしまったのもあるが、何をしてほしくて何をしてほしくないのか、お互いに育児に関して意識のすり合わせをしておくべきだったと反省している。段々「その説は主流じゃない」「それはやらないでほしい」と説明するのが面倒になっていき黙っていたのだが、2か月=60日程度自分の考えとは違う育児の考えに何も言わないで過ごすのはなかなかのストレスだった。
理由④(手伝ってくれると言っていたが)基本的に全員仕事で1日手が空いておらず、結局1人で赤ちゃんを見ることとなったから
私が里帰り前に母から言われたのは、「トラタロスが生まれるからお仕事辞めるね~」である。生まれたてのトラタロスをいつでも見れる万全な状態だと聞いていたのだ。しかし、実際里帰りをしてみるとトラタロスを理由に仕事を辞めたものの、また違う仕事を始めており平日どころか土日祝日もほとんど予定を詰め込んでいたのだ。結局トラタロスを見てほしいときに見てもらえる時間がほぼなかったのである。(そして母乳育児だから栄養があるものを食べなさいと言われつつも、1人でいる時間が多かったので結局カップラーメンを食べていた。)もちろん育児が終わった隠居の身の両親に、トラタロスのために予定を何も入れないでほしいと言うつもりは一切なかったが、面倒を見るからと言ってこれはあんまりじゃないかと思った。これなら里帰りしなかった方が逆にストレスもたまらなかったのではないか。そして戸建てで無駄に移動距離が長いし、子どもが小さいうちは絶対マンションに住もうと固く誓った里帰り期間であった。幸か不幸か、おかげで現在自立した効率的な育児ができているし里帰り中の方がストレスが溜まっていたので、今は気持ちよく過ごせている。
最後に
家族には私の分までご飯の用意をしてもらえたり感謝している面もある。しかし、実家との関係を良好なままであるためにも、里帰りをするならよくよく自分の考えているの里帰りができるのかを確認しておくべきであるととにかく強調したい。実家は一度離れてしまうと、居心地が良いままとは限らないのだと思った一例だ。家族が完全に冷え切った状態で、兄がそのまま海外へ飛び出さなくて良かったとは思うものの、産後の悪露が全く止まらなかったのはこの里帰りのストレスによるところが大きいと考えている。